バーキンを高く買取れる本当の4つの理由とは?

橋本 昌彦
シニア査定士
橋本 昌彦
更新日:2018.06.11
バーキンを高く買取れる本当の4つの理由とは?
 
高い人気を誇る「バーキン」ですが、エルメスの5代目社長であるジャン=ルイ・デュマ・エルメスが飛行機の隣に乗り合わせたジェーン・バーキンのために作ったという逸話はあまりにも有名です。
バーキンは1984年に登場してから、世界中の女性たちを魅了し続け、現在では「最も手に入りにくいバッグ」として都市伝説になっています。ここでは、バーキンが高値で取引されている「4つの理由」について考えてみたいと思います。
その1:生産される個体数が極端に少ない
バーキンは欲しい人がたくさんいるのに対し、生産が少ないのが特徴です。その理由は高い技術を持つ職人が手作業で生産していること。使用される素材を吟味し、ひとつひとつのバッグをオーダーに合わせて丁寧に縫い上げる作業は、昨今の工業製品のように大量生産をすることができません。
エルメスでは現在もバックオーダーを抱え、オーダーをストップしている状況が続いています。また、直営店にはオーダー品ではなく、ベーシックなカラーや素材を使ったモデルが入荷することがありますが、噂では上顧客だけに入荷の案内が届き、一般のユーザーがバーキンに巡り合える確率はゼロに等しいといわれています。
特に珍しいカラーや素材を使ったモデルの場合、VIPにならなければ入手することが難しく、希少価値の高いバーキンにはプレミアム価格が付けられているのです。
その2:投資目的で手に入れる人が急増
「お金の価値=国家の信頼」というのは常識ですが、戦争や国の分裂などによって、お金の価値が一夜にして0になることもあります。そのため、バーキンは「金」と同様に、どの国でも安定した価値を保っているため「安定した資産」として購入するケースも増えています。
さらに、その価値は年々上昇していることもあり「安い時期に購入して値段が高騰した時期に手放す」という投資の対象としても利用されています。投資の目的で購入されたバーキンはタンス貯金ではありませんが、大切に保管されることとなり、市場へは出回りません。
それによって生産数の少ないバーキンは、さらに手に入りにくいスパイラルを引き越しているのです。
その3:生産を中止した「廃盤素材」の人気が上昇
通常、どんな有名なブランドのバッグも年式を経ることで価値は落ちてゆきます。人気の高いルイ・ヴィトンでさえ廃盤モデルはワゴンセールに回ることもあり、買い手側は常に新しいモデルを求める傾向にあるようです。しかし、エルメスだけは一般的な市場の法則が当てはまりません。
生産が中止された素材やモデルは、レアな存在としてより付加価値を高め、エルメス・ファンは高い価格を支払ってでも手に入れたいと躍起になっています。その傾向は高級スポーツカーのフェラーリと同様で、「珍しい中古品」ではなく「レアなヴィンテージ」として扱われているのです。
その4:質を追求した唯一無二の存在感
1837年に創業を開始したエルメスは、高級馬具の製造ブランドとしてスタートを切りました。丈夫な革を使って馬具を製作する技術は突出しており、職人たちの技は時代を経た現在でも連綿と受け継がれています。他の一流ブランドは工業化の波に乗り、生産をオートメーション化することでより効率的な生産方法を取り入れましたが、エルメスは頑なに創業当時の生産方法を継承し、「量」ではなく「質」を追求し続けています。
そのため、エルメスにバーキンをオーダーすると、そこから素材となる動物を育て始め、専用の工場で丁寧に加工が施されてゆきます。加工された革は素材の部位を厳選し、専用の工房で職人がひとつのバッグを手作業で仕上げて行きます。そんなエルメスが創業当時から作り続けているバッグが「オータクロア」であり、ベースのデザインは現在のバーキンへと受け継がれているのです。
歴史、技術力、デザイン、機能性など、バッグに求められる全てを兼ね備えたパーフェクトクトなバーキン。その存在は唯一無二であり、高い付加価値が付けられている大きな理由でもあるのです。
バーキンの価値は永遠に変わらない バーキンが高値で取引されている理由は
①極端に少ない生産数。 ②投資目的として市場に出回らないモデルが多い。 ③年式を経たモデルでも変わらない評価。 ④質を追求した唯一無二の存在感」という4つの柱によって構成されています。
エルメスは利益を追求するオートメーション化を拒み、ユーザーに対して真摯な姿勢で向き合い続けています。職人気質ともいえる頑固さがバーキンの魅力を助長し、高額で取引される大きな要因になっていることは間違いありません。
熟練の職人によってハンドメイドで仕上げられたバーキンは、同じ素材、サイズ、カラー、デザインであってもそれぞれが異なる個性を持っています。それは自分の為だけに作られた「唯一無二の存在」となり、所有する満足感を与えてくれるのです。