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    制作が最も難しい?エルメスのコンスタンスが50年愛される秘訣とは

    更新日:2019.10.16
    制作が最も難しい?エルメスのコンスタンスが50年愛される秘訣とは

     高品質な素材、豊富なカラーバリエーション、独自のデザイン性、様々な要素を併せ持つエルメスは、世界的に高い人気を誇るファッションブランドとなります。

    そんなエルメスといえば、バーキンやケリーといったバッグが象徴的ですよね。エルメスバッグには、バーキンやケリーとはまた違う魅力をもつバッグが存在します。それがショルダーバッグのコンスタンスです。

    ハンドバッグであるバーキンとは異なり、ショルダーバッグであるコンスタンスは世界中の人々から愛されるアイテムとなります。

    ですがコンスタンスの魅力を知っていないと、何故こんなにも選ばれているか気になりますよね?

    今回はそんなコンスタンスがなぜバーキンやケリーと同じく人気なのか、様々なポイントを踏まえながらご紹介いたしましょう。

    エルメスの頭文字がデザインされた、コンスタンス

    まずコンスタンスとは、エルメスを象徴するショルダーバッグのひとつ。

    3つの穴で調節可能なショルダーストラップ、フラップにはエルメスの頭文字である「H」型のバッグルがデザインされています。

    最大の特徴であり、コンスタンスの代名詞でもあるHマークのバッグルは、フラップとバッグ本体を繋ぐ金具となります。シンプルな造りのコンスタンスにHマークの金具を取り入れることにより、クラシカルさとカジュアルさを併せ持つアイテムに仕上がります。

    その完成された佇まいは、幅広い世代の女性から愛されています。

    多くの職人の手作業で製作されることで有名なエルメスですが、それはコンスタンスも同じ。ですが、コンスタンスはバーキンやケリーよりも製造困難なアイテムとしても有名で、熟練の職人でも1つのコンスタンスを14~18時間かけて製造しているのです。

    現在でもエルメスの定番バッグとして高い人気を誇るコンスタンスですが、需要と供給が合わずに、かなりバーキンたちと同じく稀少価値も高まっている傾向にあります。

    誕生から50年経つ、コンスタンスの歴史を紐解く

    コンスタンスの始まりは、1969年から。当時のエルメスは、モナコ王妃であるグレース・ケリーがサック・ア・クロアを使用している写真から火が付き、一気にファションブランドとしての地位を高めている頃でした。

    それまであまり注目されなかったエルメスのデザイナーたちが、陽の目を浴びる時代でもあります。その中にコンスタンスをデザインした、Catherine Chailletも。

    Catherine Chailletはコンスタンスを発表した1969年と同じ年に、自身にとって5人目の子供である娘も誕生しました。彼女は娘にコンスタンスと名付けます。娘の誕生を記念して、自身がデザインしたバッグも同じくコンスタンスという名前にしたのです。

    コンスタンスが発表されてから、エルメスフリークはもちろん、様々な著名人から愛されてきました。

    そしてそんなコンスタンスがエルメスの定番バッグとして地位を固めたのは、ファーストレディであるジャクリーン・ケネディが愛用していたことが大きな要因でしょう。洗練されたエレガントな印象のコンスタンスの存在は、世界中のセレブを虜にしました。

    エルメスの定番として名を連ねたコンスタンスは、今でも進化し続けるアイテム。コンスタンスには、初期タイプの「コンスタンス」と現行の「コンスタンスⅢ」が存在します。

    見た目はほとんど変わらないものの、使用者がより使いやすいようにとエルメスがさらに改良しました。コンスタンスⅢにはマチがありさらに収納力をアップさせ、中には仕切りと内側にオープンタイプのポケットがプラスされました。

    コンスタンスは誕生から50年経った現在でも高い人気を誇り、これからも進化し続けるアイテムでしょう。

    最大10個から選べる、コンスタンスのサイズ

    コンスタンスにはバーキンやケリーと同じく、様々なサイズ展開がされているアイテムです。今回は現在でも販売されているサイズから、様々な理由からあまり流通していないサイズまでご紹介します。

    ファーストエルメスとしても定着する、コンスタンス24

    W24×H16.5×D8cm

    コンスタンスの中で、最もスタンダードなサイズとして人気を博すコンスタンスの24cm。

    その大きさからコンスタンス24は、ショルダーバッグとしてだけではなく、ショルダーを調節してハンドバッグとして使用する方もいらっしゃいます。

    収納力だけではなく、機能面も充実しているアイテムです。例えば必需品である財布、スマホの他にも手帳なども収納することもできます。またコンスタンスの内側には、ファスナーポケットがありますので、細々した小物の整理に最適です。

    大きめなサイズ感であるコンスタンス24は、様々なコーデでも主張する存在感があります。

    コーデのアクセントにも最適な、コンスタンスミニ

    W18×H15×D5cm

    コンスタンスの24cmよりも、一回りほど全体のサイズがコンパクトになったコンスタンスミニ。コンスタンス18とも呼ばれるアイテムです。

    若い女性を中心に、最近では小ぶりなバッグが流行しています。

    コーデを邪魔しないサイズでありながら、コンスタンスミニはコーデのアクセントとしても高い人気を誇ります。収納力はサイズダウンしているため、コンスタンス24に比べれば低い傾向にあります。

    ですがスマホやお財布など最低限のアイテムを持ち運ぶことが可能なため、サイズからは想像できない使いやすさが期待できるアイテムです。

    コンパクトなサイズ感がキュートな、コンスタンスミクロ

    W13.5×H11×D3cm

    コンスタンスの14cmである、コンスタンスミクロ。まるでポシェットの様な感覚で、気軽に持ち運ぶことができるアイテムとなります。

    小ぶりなサイズでありながらも、そこはコンスタンスですので機能面も充実しています。ですがサイズが小さい分、スマホやコインケースなどの小さなアイテムしか持ち歩けません。

    アクセントには最適で、ファッション性の高いアイテムとして人気です。

    長財布も楽に収納できる、コンスタンスエラン

    W24×H14.5×D5cm

    2010年に登場した、コンスタンスエラン。従来のコンスタンスは正方形に近いフォルムが特徴的でしたが、コンスタンスエランは横幅が大きくなり、長方形のようなフォルムになりました。

    通常の正方形フォルムであるコンスタンスだとサイズの問題で、長財布は収納できません。ですが横幅の大きいコンスタンスエランなら、長財布なども簡単に収納が可能になります。

    製造の難しいコンスタンスの中でも、かなり稀少価値の高いアイテムです。

    以上の4つ以外でも、現在ではあまり流通していませんが、コンスタンス23、コンスタンス25、コンスタンス29というサイズのラインナップがありました。なかなかお目にすることができないサイズですので、ぜひチェックしてみてください。

    またコンスタンスにはコンスタンスⅢも存在します。 ミクロサイズ以外は同じサイズで展開していますが、初期のコンスタンスに比べるとマチがある分、収納力もサイズもアップします。そのためサイズも以下の通りに。

    コンスタンスⅢ24

    W24×H17.5×D7cm

    コンスタンスⅢミニ

    W20.5×H16×D7cm

    コンスタンスⅢエラン

    W25×H14.5×D5cm

    ぜひ自分のニーズに合うサイズを選びましょう。

    稀少なコンスタンスの限定版と特別コレクション

    エルメスには、通常のデザインとは異なる限定のコレクションが存在します。

    貴重なエルメスアイテムがさらに稀少価値を高め、エルメスフリークからも注目されているアイテムです。それはもちろん、コンスタンスでも展開されています。

    コンスタンスは特に多くのデザインが楽しめるアイテムで、なかなか目にすることができないこともあります。今回通常ではなかなか手に入らない、限定のコンスタンスコレクションをご紹介しましょう。

    お色とのコントラストが美しい、カラーのH金具

    コンスタンスといえば、やはりエルメスの頭文字であるHを模った金具でしょう。

    フラップと本体をH金具で留めるコンスタンス。H金具はコンスタンスにとって重要な役割であり、象徴でもあります。

    通常はシルバー、ゴールド、たまにローズゴールドなどで展開されており、お色っや素材との組み合わせにより印象が変化します。

    そのH金具の中でも、様々なカラーや素材と展開されているものもあります。 通常のゴールドやシルバー金具とはまた違う、バッグ本体と金具で演出するコントラストが美しいコレクションとなります。

    「ON A SUMMER DAY」・「ON A SUMMER NIGHT」コレクション

    2017年に春夏コレクションで登場した、「ON A SUMMER DAY」シリーズ。

    北アイルランド出身で建築家兼デザイナーであるナイジェル・ピークがデザインした、「ON A SUMMER DAY」。そちらのデザインをコンスタンスと組み合わせたアイテムとなります。

    ナイジェルは都市や何気ない風景の中から個性的な感性でデザインを生み出し、リアリティさとシンプルさが特徴的な作風です。現在はパリとイギリスを中心に活動し、世界各国の企業とともに様々なプロジェクトに携わる人物となります。

    そんなナイジェルがデザインした「ON A SUMMER DAY」シリーズは、都会の風景から影響され生み出されたデザインで、平面の中に立体的なビル群を感じるものとなります。

    マルチカラーで展開するのは「ON A SUMMER DAY」シリーズで、それをブラックに統一したのが「ON A SUMMER NIGHT」となります。

    その名の通り、カラフルである「ON A SUMMER DAY」を昼にするならば、シックである「ON A SUMMER NIGHT」は夜を彷彿させるアイテムでしょう。どちらもあまり流通してない稀少なアイテムです。

    アートの美しさをプラスした、オプティカルコンスタンス

    2018年限定で発売されたコレクション、オプティカル コンスタンス。

    オプティカルとは美術用語で「視覚芸術的な」という意味をもつ言葉となります。こちらではコンスタンスの特徴であるHマークの金具部分にカラフルなストライプが施されたデザインを差します。

    こちらの金具はエナメルラッカーという名前で、よく見て頂くとストライプ部分がまっすぐ描かれていません。その不完全さが心を惹きつけるポイントでしょう。

    入手困難とも呼ばれる、デシェネコンスタンス

    様々なタイプのチェーンがプリントされたトワルドゥキャンプとレザーを組み合わせた、「デシェネ」シリーズのコンスタンス。

    2017-2018年に登場したデザインで、コンスタンスの前にバーキンやケリーでも展開されていたシリーズです。その人気の高さと限定生産ということも関係して、かなり手に入ることが難しいとされています。

    2つのカラーが楽しめる、ヴェルソコンスタンス

    2017年の春夏コレクションで登場した、「ヴェルソ」シリーズ。フランス語で裏や裏面を意味する言葉で、その名の通り外側と内側で使用されているお色が異なるコレクションです。

    かなり徹底されており、内側の縫い目は外側のカラーと合わせていたり、クローシュも同じ様に外側と内側では使用されているお色が違います。またこちらのシリーズで展開される組み合わせは限られています。

    バーキンやケリーに加え、コンスタンスでも展開されているコレクションです。組み合わせよっては、コンスタンスの象徴であるH金具にも外側のお色が使用されています。

    まるでパーソナルオーダー、スペシャルオーダーの様な雰囲気を楽しめるアイテムです。

    「AU BOUT DU MONDE CONSTANCE」コレクション

    ナビ派の創始者の一人である、パリ出身のポール・セリュジエという画家の「ライタの漁師」という作品から影響され、アントワーヌ・カルボンヌが2016年にシルクスカーフで「Au Bout du Monde」コレクションを発表しました。

    そのデザインをコンスタンスに2018年に起用したのが、こちらのアイテムです。

    ブルー系の6つのカラーで統一されたアイテムで、ブルーアンクル、ブルーゼリージュ、ブルードマルト、ブルーニュイにヴェールシプレス。そしてブラックをお色に組み合わせています。

    素材も同じく6つの種類を使用し、定番のスイフト、ボックスカーフから、高級素材であるエキゾチックレザーのアリゲーターやリザードまで様々。

    現在多くのエルメスフリークが注目しているアイテムとなります。

    トリコロール×クロコダイルレザー×コンスタンス

    数多くあるエルメスアイテムの中でも、特に製造が難しいコンスタンス。通所の牛革素材でも困難なのに、扱いが難しいエキゾチックレザーだとなおさら製造困難。結果としてエキゾチックレザーのコンスタンスはかなり貴重な存在です。

    そんなエキゾチックレザーにトリコロールを組み合わせたのが、今回のコンスタンスです。

    ニロティカスやアリゲーターと組み合わせ、コンスタンスをまるで宝石のように仕上げたアイテムとなります。

    お色にはロマン溢れる色合いのアメジスト、高い人気を誇るエルメスブルーのブルーイズミールとブルーロイを使用。

    またコンスタンスの代名詞でもあるHマークの金具にも、エキゾチックレザーの腑のようなデザインが施されています。

    スイフト×トワルアッシュ×グランアッシュ×コンスタンス

    2018年に登場した、3つの異なる素材とお色を組み合わせたコンスタンス。

    一目ではなぜそんな貴重性があるかわからないですよね?ですが確かにこちらのコンスタンスはかなり特別なアイテムとなります。

    こちらのコンスタンスには、3つの素材とお色を使用しています。まず、コンスタンスの縁部分には、定番素材のひとつであるスイフトレザー。発色の良い素材となります。

    そんなスイフト部分には、シックなグリーン系のヴェールシプレを組み合わせしています。

    そしてフラップ部分にはグレーの色合いであるトワルアッシュ。フロントには、2012年に登場したグランアッシュをブラックと仕上げています。こちらの素材は整列された細やかな型押しが特徴的な素材で、なかなか目にすることができない素材でもあります。

    限られた者しか手に入らない、スペシャルオーダーのコンスタンス

    多くの人々から愛されているファッションブランド、エルメス。そんなエルメスから認められた方だけが利用できるサービスが存在します。それがスペシャルオーダーです。

    スペシャルオーダーとは、エルメスアイテムを自分の好みでカスタマイズできることで、お色や素材の組み合わせはもちろん、金具やポケットの数や場所まで決めることが可能となります。

    それはコンスタンスでも同じです。例えば、コンスタンスで展開されていないお色や素材。またH金具のお色までカスタマイズできます。

    スペシャルオーダーできること自体が稀なので、スペシャルオーダーで誕生したコンスタンスはかなり稀少価値の高いアイテムとなります。通常で流通しているものでは味わえない、バイカラー、トリコロールなどの組み合わせでコンスタンスが楽しめます。

    その他にもコンスタンスには様々なデザインが展開されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

    まとめ

    コンスタンスが多くの人々から50年愛されている秘密が理解でしましたでしょうか?ぜひ今回の記事を参考に、コンスタンスの魅力を再発見できればと思います。

    エルメス専門店である銀座ショーマでは、バーキンやケリーはもちろん、今回ご紹介したコンスタンスも多数ご用意しております。あなたが欲しかったあのコンスタンスと出会えるかもしれません。

    ぜひお問い合わせしてみてください!

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    HERMES Expert store GINZA XIAOMA

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    橋本昌彦
    はじめてまして、橋本と申します。
    私は、1993年にブランドの業界に入りました。
    ブランド業界大手を2社を通し、査定士・バイヤー・店長・エリア長などの多くの経験してきました。
    ブランドと触れていく中で、Hermesの魅力に憧れ、今はHermes専門店であるGINZA XIAOMAの店長&査定士&新人教育に日々励んでおります。
    ブログを通じて、私が25年間培った経験とノウハウを皆さんと分かち合えればと思います。
    よろしくお願い致します。

    橋本昌彦