1998年、エルメスの歴史で最もセンセーショナルなバッグが発売されました。エールバッグと呼ばれるキャンバス素材を使ったカジュアルなアイテムは、プラモデルのようにパーツを組み合わせることでスタイルを変化させることができました。
用意される2つのボディ部分を入れ替えることでタテ長、ヨコ長のバッグに変えることができ、その日の気分に合わせてチェンジすることができたのです。
エールバッグは異なるボディが1組となり、サイズ違いや素材違いなどのラインナップが存在しました。そのデザインはケリーバッグを思わせるエルメスらしいもので、販売価格も20万円前後と手の出しやすさもあり、発売されると日本国内で大ブームとなったのです。
残念ながら2006年に行われたカジュアルラインの見直しにより現在は廃盤になってしまいましたが、現在も狙い目のUSEDモデルとして安定した人気を誇っています。
最も小さなTPMから大きなGMまでの4サイズが用意され、素材にはキャンバス(生成とブラック)とトワル生地が存在しました。初期型のトワル生地はコーティングが施され雨や汚れに強いものでしたが、変色やシミ等のトラブルを起こしやすく、後期型ではトワル生地にコーティング加工を施さないものへとチェンジされています。
エールバッグの買取・査定ポイント

エールバッグの査定ポイントはコンディションの良し悪しが大きなポイントになります。先に記したように初期型のコーティングが施されたトワル生地は変色などを起こしやすく、状態の悪いものは高額査定が期待できません。
また、後期型のトワル生地は柔らかくソフトな手触りですが、コーティングされていないこともあり汚れやすいことでも知られています。ボディのコンディションは査定額に大きく影響することを覚えておきましょう。
そしてブラックのキャンバス地は色褪せに注意。角スレなどで色が退色しているものは評価が下がってしまいます。
ボディを組み替えることで変化を楽しめるエールバッグですが、セリエ金具にストラップを通す部分やフラップ部分に使われるレザーにキズが付きやすいのが特徴。組み立てる時やフラップの開閉時にキズを付けないようにすることが重要になります。
また、ブラウンのレザーを使っているモデルは経年変化によるレザーの焼けやシミを起こしやすく、コンディションを保つことが重要な査定ポイントになるのです。
ブームが落ち着いた今だからこそ、エールバッグを選ぶ理由がある!

1998年のデビュー当時は品切れ状態が続くほど爆発的なブームを呼んだエールバッグ。登場から約20年の歳月が流れた今、再び評価が高まっています。その理由はエルメスらしいデザインが5万円から10万円程度で手に入ること。
そして、当時は同じバッグを持っている人と遭遇することも多かったのですが、今ならそんな心配もありません。エールバッグのブームを知らない世代には新鮮な存在であり、使い勝手に優れた実用性も大きな魅力になるはずです。
日本国内には数多くのバッグが流通し、USED市場でも探しやすいアイテムのエールバッグ。コンディションの良いものを選べば、憧れのエルメスを手軽に楽しめる賢い選択になることは間違いありません。